
家を建てる際、こだわりたいポイントは人それぞれ異なります。性能を重視する方もいれば、デザインを重視する方もおり、そのポイントはさまざまです。本記事では、そんな住まいのなかでも高性能住宅とはどのようなものか、またそのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
高性能住宅の定義
高性能住宅という言葉を聞いたことがあっても、具体的にどのような住宅を指すのか知らない方もいるかもしれません。そこで、まずは高性能住宅の定義について解説します。高性能住宅とは、断熱性・気密性・耐震性・省エネ性能を備えた住宅を指し、これらの性能を備えることで、365日快適に過ごせる環境が実現し、経済的な生活も送れるという特徴があります。
ただし、明確な定義は存在せず、高性能の基準や仕様は住宅メーカーや工務店によって異なる場合があります。
断熱・気密性
高性能住宅を語るうえで重要なのが断熱性と気密性です。断熱性は外からの暑さや寒さを遮断する性能を指し、そのレベルは等級で表されます。等級は1から7まであり、高性能住宅には等級6以上が相応しいといわれています。一方、気密性は家の隙間からの外気の侵入を防ぐ性能を指し、C値という数値で表されます。C値が低いほど気密性が高い住宅となります。
耐震性・耐久性
耐震性も高性能住宅に欠かせない要素です。耐震性は1から3までの等級で評価されます。等級1は最低基準を満たすもので、等級2は等級1の1.25倍、等級3は1.5倍の耐震性能を有します。耐震等級3の住宅は、消防署や警察署など防災拠点となる施設と同等の耐震性能をもつことが特徴です。また、耐久性については、高性能住宅では一般的に75〜100年の耐久性が求められます。
高性能住宅のメリット・デメリット
高性能住宅には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、それぞれの特徴を理解し、納得したうえで選択できるよう、主なメリットとデメリットを解説します。快適な住環境で暮らせる
高性能住宅は断熱性や気密性に優れているため、暑い日でも寒い日でも外気の影響を受けにくく、1年を通して快適な室内環境を保つことができます。また、室内の温度を均一に保ちやすいため、部屋ごとの温度差が少なくなり、ヒートショックのリスクを軽減できるという点も大きなメリットです。光熱費の削減につながる
断熱性・気密性が高いことで、省エネルギー効果が期待できます。室温が一定に保たれやすいため、冷暖房の使用頻度が抑えられ、光熱費の削減が可能になります。また、エネルギー効率の向上は環境負荷の軽減にもつながり、環境に配慮した暮らしを実現できます。建築コストが高くなる
高性能住宅は、高性能な断熱材や窓、設備の導入が必要となるため、一般的な住宅と比べて初期費用が高くなる傾向があります。ただし、光熱費の削減などの効果を長期的に見れば、コストパフォーマンスの高い投資といえる場合もあります。設計の自由度に制限が生じることも
高性能住宅の性能を十分に発揮させるためには、高い施工精度が求められます。そのため、複雑なデザインや大きな吹き抜けなど、断熱・気密性に影響を与える間取りは制限されることがあります。設計段階で専門家としっかり相談することが大切です。高性能住宅購入時に利用できる補助金
高性能住宅を購入する際には、国の補助金制度を利用できる場合があります。現在は「子育てエコホーム支援事業(旧:グリーン住宅支援事業)」という制度を通じて、最大160万円の補助金を受け取ることが可能です。補助額が大きいため、活用することで初期費用の負担を大きく軽減できます。ただし、補助金制度にはいくつかの注意点があります。たとえば、子育てエコホーム支援事業では、「子育て世帯」または「若年夫婦世帯」であることなど、特定の条件を満たす必要があります。加えて、補助金の申請期間や予算枠には限りがあるため、購入が決まったらできるだけ早めに手続きを進めることが重要です。
また、補助金に関して不明点や不安な点がある場合は、住宅メーカーや工務店に相談するのがおすすめです。最新の情報や申請手順などを丁寧に案内してもらえます。